2012年7月26日木曜日

(聖剣流)二刀抜刀術



*二天一流技法と合気道の類似点を探る

合気道が剣技法からの応用が基本となっているからには一刀のみだけではなく
二刀技法も有って当然と考える。よって考察してみることにした。
先ず。

  

1・二円の組み合わせの流紋のイメージから両手で左右円を描きながら
前進後退した動きは、攻撃手を受け流すと同時に手首掛けの片手呼吸投げになる。
2・切っ先返しの動作は後ろから両手を取られた状態で前に投げる動作に類似している。
3・両刀で相手の刀を平行に繰り付けする動作は肘掛け投げの前動作になる。
4・中段八の字構えは合気上げに応用できる。
5・十字受けは手刀を延長すると二刀で上下段の十字受けに等しい。
6・掴まれた片手を反対の手で切り、
 持ち替える動作は太刀払い小手横斬りに近い。
7・両手刀で上段受け動作は二刀での虎振り技法と考えられる。
8・四方投げは一刀でも二刀でも同様に出来る。

武蔵の二天一流には、二刀抜刀法が無い。
一刀に有って二刀に無いのも疑問で、なら、
自分流に剣究してみようと発案した次第。
4年近い二天一流の稽古を振り返り、五法の勢法に準じて創作した。

1の型(中段位)
敵の真向斬りを大小二刀にて十字受け、敵が刀を引き再び中段を諸手突きに来るのを返し下段十字に止める。再度敵は刀を引き、又上段を突きに来るのを十字に
受けると同時に左入り身になり右刀を敵の左首に当て切り、敵が前にのめるのを
後袈裟に斬る。
両刀を血振り、同時に納める(眼を閉じた状態で出来る様に修練する事)

2の型(上段位)
敵が上段から切り込むのを上段十字に受け、敵が右胴を斬ってくるのを左小刀で
張り受けると同時に右刀で面を斬る。敵、左方から袈裟に斬りつけるのを左刀で
受け右刀で左胴を斬る。
両刀を血振り、同時に納める(眼を閉じた状態で出来る様に修練する事)

3の型(下段位)
敵が我右腕を斬りつけて来るのを右刀で下段払い受け、左は面に付ける。
敵左から袈裟に切り付けるのを左刀で張り受けると同時に右刀は下から顎を
切り上げ、返す刀で真向から斬り下す。(両手は縦8の字切っ先返し技法の変形)
又、必要なら右刀で逆回しに止めの真向斬りを行う。

4の型(左後方位)
後ろからの袈裟斬りを察して、左回りに左刀で抜き受け、右刀で裏小手を
切り上げる。
返す刀で敵の左肩から切り下げる。
右刀の中段突きを行い、両刀で右に受け流し左小刀で小手を右刀で
太刀を落とす。
両刀を血振り、同時に納める(眼を閉じた状態で出来る様に修練する事)

5の型(右後方位)
後方からの殺意を感じ、右回りに振り向くと同時に右刀で張り受けし、
左刀で抜きざま裏小手を切り上げる。両刀で切っ先返しに斬り下し
右刀で喉を突き刺し、両刀で左に受け流し左小刀で太刀を払い右刀で
袈裟を斬る。
両刀を血振り、同時に納める(眼を閉じた状態で出来る様に修練する事)

奥伝:小刀を左手又は右手で抜きざま手裏剣に胸元に投げつける。
続いて右刀を抜きざま横一文字に首をはねる。斬る時は左手を添えた形になる。

武蔵の二天一流呼吸法とは。。以前、宮田師範から習った
山東派の4つの調息法を五法(地水火風空)に独自に纏めてみました。



宮本武蔵の二天一流を実戦技法の見地から
剣究してみようと思う。
二輪の剣理は調息法でもある


地の剣理
両刀を両脇下から、ゆっくりと地の気を吸い上げる
ように持ち上げる(吸息)
内円に息を吐きながら降ろすと両円になる。


水の剣理
両刀を左右脇から内に胸前交差する(吸)
左右に吐息して流し斬る


火の剣理
火火山のイメージで下から交差切り上げ(吸)
下へ交差して斬り流す(吐)


風の剣理
遠く続く道をイメージして風が下から吹き上がり
(吸)背中から
通り抜けるように両刀を切っ先返しに
前方に投げ斬る(吐)


空の剣理
宇宙をイメージして下から内円に大きく
両円を描きながら(吸)広げ、ゆっくりと
両脇から足元に交差する(吐)


巻の剣理
両刀を胸前に八の字に構え突き
合わすにように交差して十字を組む(吸)
ゆっくりと下段に結びを解き降ろす(吐)
武蔵の肖像にあるような下段構えで
調息を終える

2012年7月24日火曜日

実践的「殺陣居合」聖剣流の型



武術心得(基本&応用)

聖剣流殺陣居合の免許取得には動画のような

試紙斬りを課題とする。真剣では簡単に切れても
模擬刀は難しい面もある。特に横一文字斬りには
スピード力がないと柳に風の状態で斬れない。
抜き付けで切っ先が「ピューツ」と風音を出せる位の
力量が必要になる。
又、「抜いて」「斬って」「納める」の3段階の意識に
こだわると動画のように早くはできない。
唯「納める」のみ意識で他の「抜く、斬る」の
2意識は
考えないのがコツです。
 
        *室内での模擬刀使用の居合抜刀斬法稽古について。。。

 *新聞紙の半分を八折りにして幅5センチ長さそのまま程度に切る。
 *蛍光灯の下げ紐に釣り針か自転車の荷作り紐を付け、
  その紙片を下げる。

                  *斬り方十法(基本)
 1.右および左からの袈裟斬り(切り口がギザギザなら刃筋が悪い)

   2.右からの横一文字斬り(同じだが、スピードと意識の持ち方が必要)

 3.紙の中心を突き抜く(気剣体一致の高難度技法)

  4.縦に斬り裂く(半分になって落ちるのが大半。
   中央が45~90度に折れ気味になりやすい)

  5.跳躍横一文字斬り(着地時と同時に納刀できれば上出来。
               着地音を出さない)
           

                *注意事項:狭い場所では周囲に刀が当たるものは除けて置く事。
      *跳躍着地時は音を立てない様に爪先からふわりと降りる工夫が必要)
      *一紙では下部分から切り、交換を少なくする。

               *手裏剣打ち型(基本)

  
 
手裏剣は百錬自得でも身に付く。打ち方は順手に持ち、
手の内で滑走させて
投げる方法や回転させて投げる方法が普通。
逆手落ちに下から柄を先に投げるナイフ投げ方式もある。
以上は距離が必要になり、避けられやすい。そこで聖剣流では
刀柄に隠し持ちや束に持ったりして、剣先を人サシ指と親指に挟み
弾くように近間で連続打ちをする「指弾式連続打ち」を開発した。
これも免許者は自得して欲しい技法だ。最近、
ダーツを手裏剣打ちに試してみたが、羽を外して握り持ちして親指で
操作した投げ方が巧く行くようだった。

 
「応用技法考察」

型の場合は「実」の思想で応用が難しい。
実戦では「虚」の戦法が主になるから、
だまし技法に対して、その応用も考察しておこう。

「一刀抜刀法・変化技法」

1・左右横一文字斬り・流し受け真向斬り(左右)
「指導基本型1.:正座より、横一文字抜き付け、
           追い足真向斬り、左右血払い納刀」
「指導型その2:正座より、横一文字抜き左添。逆天地構えから
          飛脚替えて真向斬り、逆手納刀」
「指導型その3:正座から抜き縦背刀受け、下げ突き、右側から回刀
          真向斬り、突き(喝突)


2・小手縦斬り・回し面斬り
3・切り上げ・返し袈裟斬り・回し脚斬り
4・袈裟切り下げ・流し受け袈裟斬り・回し脚斬り
5・右片手突き・左片手上段突き・足斬り・足替え袈裟斬り
6・後方真向切り上げ・首横斬り・真向切り下げ

1の型
新:合し撃ちの応用で縦抜き、諸手にて面を切る。
2の型
 :右無構えから合し撃ちに回し、小手、面を打つ
3の型
 :相手の袈裟(左右)斬りを張り(跳ね)撃ちに左右横面を打つ
4の型
 :中段突きを合し突き(左右)
 
 

(抜刀)斜切り上げ、返し一文字横面斬り、前足下げ斬り、
上段囲い受け、右転回脚斬り、即納刀残心。
「右無構え」左に払い、右横面跳切り、前足斬り、袈裟斬り納刀。

2の型

(抜刀)上下段一文字斬り、左揚げ受け右胴斬り、二の越に真向斬り


3の型

(抜刀)右張り受け、返し横面、前脚斬り、
    左張り受け、返し横面、前脚斬り、真向斬り

4の型

(抜刀)斜め切り上げ、袈裟切り下げ、鳥居受け、回し脚斬り
横一文字斬り、左替手跳び右回身斬り、
右替手追横面(首)斬り、即納刀残心。

5の型

(抜刀)十文字斬り。右寸伸片手上段突き、返し脚斬り、左手持ち袈裟斬り、
右手替持ち袈裟斬り、虎尾(乱)刀。納刀残心。

(外伝型)

真向抜きあげ、首左払斬り、左右跳び袈裟斬り、橋渡し真向斬り、
前方真向切り上げ、後方真向斬り、逆手納刀残心。
逆手柄上段突き、抜き上げ突き、返し真向斬り、左右袈裟斬り、
右胴斬り、右後方突き、回転真向追い斬り。納刀。

「改定」
真向抜きあげ~右首払斬り~左から袈裟斬り~左片手上段突き~
流し前足斬り~右肩八相構え~飛び足替え太刀落とし打ち、逆胴斬り上げ
~血振り納刀。

顔前に縦に抜き立て、回して逆刀にして、喉を下げ突き、左から回して
真向に斬り下す。柄叩き納刀。


以上は
私の3年間のスポチャン試合経験により工夫した実践刀法です。

付録:小太刀の型

一般に小太刀の場合、右手に小太刀、左手を腰に置いての演武が多いが
空き手の左を使って相手の小手を封じる為の小太刀使いを重視したい。
むしろ合気道の感覚で小太刀を使いたい。
左手で掴むために右小太刀で防御し、掴んだら確実に首、胸(刃は横向可)
を斬るか刺す型を聖剣流に取り入れたい。

付録:刀柄を掴まれた場合

合気道の第2教の応用で左手を下に回して相手の手首上から逆を極める。